スペインのトマト祭り「トマティーナ」のチケット購入方法・行き方・持ち物全てを分かりやすく解説します

スペインと言えば、イッテQで特集を組まれて爆発的な話題になったトマトを投げ合う「トマト祭り(トマティーナ)」を思い浮かべる人も少なくないはず。

実際にトマト祭り(トマティーナ)に参加してみて分かった「そもそもトマト祭りって何?どんな歴史があるの?」という基本的な情報から、日程や開催場所、参加方法、実際の様子について写真や動画を使いながら分かりやすくご紹介していきます。

スペインのトマト祭り(トマティーナ)に参加したいと思っている方にとって、この1記事を読めば完ぺき!というくらい網羅してまとめていますので、少し長くなりますが、お役に立てれば幸いです。

目次

スペインのトマト祭り「トマティーナ」の開催日程

毎年8月最終週の水曜日に開催。

開催地

バレンシアから電車で40〜50分ほどの場所に位置するブニョール村。ブニョール駅を降りてすぐの場所が会場です。

参加料金

10ユーロ(チケット事前予約制)

スペインのトマト祭り「トマティーナ」の歴史とは?

トマティーナが誕生したキッカケは、諸説あると言われておりますが、Wikipediaでは以下のように紹介されています。

トマティーナは1940年代半ばに始まったが、その起源はよく分かっていない。起源については、野菜売りのスタンド前での喧嘩でトマトを投げ合った、住人同士での階級闘争。町政に不満を持つ住人が、町の祝賀会で町の議員に向けてトマトを投げつけた。戦争が終わってこんなに真っ赤になっても死なないぞというメッセージなどがある。

その後毎年同じ日に、同じように各々トマトを持ち寄って投げ合うという初期「トマティーナ」が出来て、ブニョールもその日を「トマトの日」と定めた。しかし毎年段々と過激になってきたことを受けてブニョールは1951年には禁止し、強行しようとした人々を逮捕した。それにブニョールの住人から猛抗議されたことで警察は逮捕者をすぐに釈放し、翌年からはまた開催されるようになった。

しかし1957年に再びトマティーナは禁止された。人々は「トマトの葬式」という名目でトマトを棺桶いっぱいに詰めて祭りの禁止に抗議した。

ケンカがキッカケとなっていますが、確かにケンカが発端でなければ、こんなクレイジーな事は思いつかないかもしれません。それにしても抗議の仕方があまりにもユニークですよね。「トマトの葬式」って。笑

トマト祭り「トマティーナ」の意味

トマト祭りに宗教的な意味も、政治的な意味も特別な意味は何もありません。一応、収穫祭という名目があるみたいですが単純にトマトを投げ合って楽しむ!これ以外に何もないようです。

トマト祭り「トマティーナ」の流れ

大きく分けて4つの流れがあります。

1:トマティーナの「前夜祭」

前夜祭にはトマトこそ登場しませんが、開催地ブニョールの街はお祭りムード。通りや広場に屋台が並び、食堂や飲み屋では参加者たちで大盛り上がり。広場では、生演奏、ダンス、歌で一晩中路上パーティーが続きます。

そのため、前夜祭から参加しようと世界中から人が集まってきます。ちなみに、前夜祭時の宿泊先は周辺に宿泊施設がないため一睡もせずに遊び通すか路上となります。トマティーナに参加する日本人も前夜祭から参加する人が多くいます。

ちなみに、普通の街中でトマトを投げ合うので、通りに面している家ではトマトに汚されないように、壁をビニールシートなどで覆うことで祭りに備える家もあります。これもトマティーナならでは。市から補助金が出るそうです。

2:始まりの合図をかけた生ハム争奪の儀「パロ・ハボン」

パロ・ハボンとは「石鹸棒」という意味で、石鹸が塗りたくられた滑りやすい木の棒の先端に生ハムがくくりつけられており、勇敢な者が生ハムを取るためにツルツル滑る棒をよじ登っていきます。

なぜ、そんな事をするのかというと、生ハムを取ったらトマトの投げ合いが開始するため、生ハムを取った人は「英雄」扱いされるわけです。

この生ハムを取る前にトマトの投げ合いを開始するのはタブーとされていますが、なかなか取れるものではなく、結局過去には取れない例が何度もあったそうです。

生ハムを取ればスタートしますが、取れなければ、午前11時に合図のピストル音が鳴り、トマトの投げ合いが始まります。トマトの投げ合いは1時間。

3:トマティーナスタート!とにかくトマトを投げ合う1時間

何台もの大型トラックに満載されたトマトが開始の合図とともに乗り込んできます。そして、トマト投げがスタート。小さな街があっという間に真っ赤に染まっていきます。

トマトの投げ合いの制限時間は1時間。たった1時間と思うなかれ。街も人もトマトまみれになるのには十分な時間なのです。

4:トマト投げ終了

トマトの投げ合い開始から1時間後、祭りの終わりを知らせる号砲が鳴り祭りは終わります。街中に用意された仮設シャワーや親切な住民は家の水道をホースに繋いで水をかけてくれるので、そこでトマトまみれになった体を洗い流します。2017年現在では有料にしている住民もいました。こうして、トマティーナは終わります。

トマト祭りのトマト量は150トン!もったいないと苦情!?

このトマト祭りに使用されるトマトの量は150トンと言われています。これだけのトマトを投げ合うんです。、食べ物を粗末にして、なんてもったいないことをしているんだ!と思った方も少なくないはずです。

僕も農家の家系で生まれ育っているので、同じように感じていましたが真相を聞くと納得。

というのも、トマトお祭りで使用されるトマトは、市場に流通できない規格外のトマトを2週間前から集め始めて利用しているとの事。トマトを提供している企業からは「流通できずに廃棄していたトマトをトマティーナのお祭りに使うことができて光栄だ」と、ただ捨てるだけのトマトを有効活用出来る取り組みになっています。

腐っているトマトも数多くあるのが原因なのか、トマティーナの翌日に身体にじんましんのようなブツブツが出ていました。日本人の友人4名と参加したのですが、僕を含めて3名が同じ症状になっていたので、衛生的にはあまり良くないかもしれません。

それでは、次にトマティーナに参加するにあたっての準備から当日の流れまでをご紹介します。

トマティーナの事前準備

トマティーナに参加するにあたってやっておく必要のある事前準備は大きく分けて3つ。そして、これがやれたらいいなというのが1つ。計4つです。

1:トマティーナ参加仲間を集める

これは必須ではありませんが、お祭りは仲間がいた方が楽しいです!また、トマティーナに参加するにあたって、大体の人がバレンシアに宿泊するので、宿をシェアすることが出来て宿泊代が浮きます。

と言うのもバレンシアには一般的なホテルではなく、アパートメント的なホテルが数多くあります。そこは普通のホテルのような1人1泊5,000円という価格帯ではなく、1室1泊15,000円で人数は自由ですよ〜という価格帯の宿泊施設となっています。

なので、4人部屋に無理矢理8人で宿泊してもOKなので、みんなでプチ合宿状態になったりするのも楽しいと思います。

僕はセブ島のクロスロードという語学学校で出会った友達とairbnbを借りました。1人1泊2,600円くらいだったので、宿泊代が安かったですし、自炊が出来たのでめちゃくちゃ快適でした。

関連記事:快適すぎ!トマティーナのために計4名と借りたバレンシアのairbnb宿泊レビュー

2:宿の確保

仲間が見つかりそうでもそうでなくても、トマティーナの時期は参加者の多くがバレンシアに滞在することになるので、早いうちに宿の確保をしておいた方がいいです。

僕らは、トマティーナの3日前にチェックインし、トマティーナ翌日にチェックアウト。計4泊しました。バレンシアはあまり観光する場所が無いので、バレンシアに興味がなく時間も無い場合は、前日チェックイン当日チェックアウトの1泊でも良いと思います。

3:トマティーナのチケットを購入する

トマティーナには参加人数が定められているため、参加したい場合は、事前にトマティーナのチケットを購入する必要があります。当日に会場で購入できないことは無いとは思いますが、確実に参加したい場合はチケットを事前購入しておきましょう。

また、複数人で一緒に参加する場合は、誰かがまとめて購入した方が良いです。というのも、トマティーナには入場できるゲートが決められていて、購入者がバラバラだと入場できるゲートがバラバラになってしまう可能性があります。

チケットの購入方法は2つ。

  • 旅行会社「みゅう」
  • トマティーナ公式サイト

です。それぞれのメリット・デメリットは以下の通りです。

旅行会社でチケットを購入するメリット・デメリット

公式サイトは英語orスペイン語表記となっているため、人によってはチンプンカンプンですが、旅行会社「みゅう」は日本人経営の会社なのでとてもスムーズで簡単です。そして、マドリード発着、バルセロナ発着、バレンシア発着のバス付きのチケットになっているため移動が楽です。

しかもマドリード発⇒トマティーナ参加⇒バルセロナ着などのチケットも販売されているので、効率よくスペイン旅行をしたい人にとっては絶大なメリットだと思います。

デメリットとして、個人手配でトマティーナに参加するよりも金額が高いです。

チケットや移動手段の手配といった手続きを省きたい方や直前にトマティーナに行きたい!という時にこういうツアーに申し込む利点はあると思います。

リンク:みゅう

公式サイトでチケットを購入するメリット・デメリット

メリットは金額の安さと自由度の高さです。旅行会社でバス付きのチケットを購入すると、直前に前夜祭に参加しよう!などの日程変更が出来ませんが、公式サイトでチケットを購入すれば、自由度高く身動きが取れます。

デメリットは、面倒くさいというのが一番ですね。英語orスペイン語表記のサイトで自分でチケットを購入しなければいけませんし、トマティーナの開催地であるブニョールまでは電車で行かなければいけないので、それを調べたりやることが多少増えます。

4:用意しておきたい持ち物を揃える

トマティーナ用に用意しておきたい持ち物をまずは箇条書きにしてみました。

  • かばん
  • チケット
  • パスポートコピー
  • お金
  • Tシャツ(トマティーナ用に捨てても良いもの)
  • 水着or捨てても良いズボン
  • かかと付サンダルor捨ててもいいスニーカー
  • スマホ
  • スマホの防水ケース
  • 防水カメラ
  • ゴーグル(会場でも購入可)
  • 耳栓
  • 綿棒
  • 雨具
  • ビニール袋(濡れ物入れる用)

上から順に補足をしていくと、トマティーナの会場に入場する際は、チケットとパスポートコピーの提示が求めらるので必須です。

そして、トマティーナに参加する際の服装は、捨てても良い服を持参するのがベストです。トマトまみれになるので洗濯しても色が落ちません。そして、かかとで締めることが出来ないビーチサンダルはやめておいた方がいいです。

ビーチサンダルだと脱げてしまう可能性が高く、一度脱げてしまったら発見することが出来ないくらい会場内はゴチャゴチャしています。しかも地面はトマトまみれで何が落ちているかも把握できない状況です。トマティーナで素足になることはとても恐ろしいことで足を切ってしまう危険があります。

本当に血祭りになってしまったという笑えないリクスが潜んでいるので、足回りだけはしっかり保護できるものを。足を踏まれたりしたので、スニーカーだと安全安心です。

次に防水グッズですね。これはあればあるだけ活躍します。ゴーグルもぜひ準備を!めっちゃ目が痛くなります。穴という穴にトマトが侵入してくるので、耳栓まではいらない気がしますが、綿棒があったらよかったなと思いましたね。

雨具は念のため。ビニール袋は2個くらい持っておくと何気に役に立ちます。

トマティーナの当日

バレンシアから電車でブニョール駅まで向かう⇒トマト投げる⇒帰るという1日の流れを動画でもまとめましたので、ぜひご覧になってみてください。

1:バレンシアからブニョール駅まで電車でアクセス

バレンシア⇄ブニョール間の往復券を駅構内の窓口で購入し7.25ユーロ(≒940円)でした。前夜祭に参加する場合は往復券ではなく片道分だけで購入しておきましょう。翌日使えないみたいです。

往復チケットなのに1枚でした。電車の乗り場はEstació del Nord駅です。

Google map:こちら

駅には売店等ありますが、少し割高&品数が少ないので、事前に準備しておくか駅の周辺にあるお店で購入しておいた方が良さそうです。

ブニョールに着くと、パエリアが売っていたりしますが、朝からパエリアは重い…という方はパンなどを購入しておきましょう。

電車の終点はブニョール駅なので、乗りっぱなしでOK。そして、車内はトマティーナに参加する人だらけです。トマティーナのTシャツを着ている人もいれば、コスプレをしている人まで色んな格好をした世界中の人が車内に乗車していました。

所要時間は50分ほどでした。

2:会場へ

駅を降りると、ゴーグルやスマホの防水ケースを販売している黒人がめちゃくちゃたくさんいます。売ってくれる人によって値段が違いますので要チェックです。ゴーグルは1個3ユーロほどで購入できます。

他にもビールやサングリアなどのアルコール類やソフトドリンク、パエリアなどが購入できる売店がいくつかあります。

3:チケット交換所に向かう

入場出来るゲートが2つあり、どちらに入場できるかがチケット購入時に予め決まっています。チケットに記載されている方でしかチケット交換できないようになっており、違う方に行ってしまうと歩いて戻らないといけなくなるので間違わないようにしましょう。間違うと結構歩く羽目になります。

チケットの「Ticket Information」欄にどちらの入場ゲートなのかが記載されています。僕の場合は「Diputacion」でした。

4:チケットをリストバンドに交換

こちらが入場受付です。持参したチケットとパスポートのコピーの提示を求められますので提出します。予約したチケットはデータで届きますのでプリントアウトしておきましょう。本人の直筆サインを書く欄があります。

受付を終えるとリストバンドを腕に巻かれます。これが参加者かどうかの印です。結構頑丈な作りで、ハサミで切らないと外れません。

5:荷物を預ける

歩いて進んでいくと、普段はレストランになっているお店が荷物預かり所になっているので、ここで荷物を預けます。2017年は5ユーロでした。ちなみに「KEEP RAGGAGE」と書いてあるのが荷物預かり所のサインなんですが、めちゃくちゃ並んでいます。

並んでいる間にトマティーナが終わってしまうんじゃないかくらいの行列になっていたので、普通に並ぶのもバカバカしく思い・・・

荷物預かりの張り紙のない隣のお店に聞いてみました。図々しいのは百も承知でしたが、快く5ユーロでOKをもらい、並ばずに荷物を預けることが出来ました。聞いてみるもんですね。

6:会場オープンは10時頃から

会場の入口には、警備員がいて荷物検査をされます。自撮り棒などのスティック状のものは持ち込み不可です。僕はGoProと一緒に短い棒を持って入場しようとしましたが、止められてしまいました。

7:トマティーナ開始

老若男女関係なくトマトを投げ合う間違いなく世界一クレイジーな11時を過ごす事になります。とにかく目一杯楽しみましょう!

どんだけ頑張ってもトマトまみれになることからは逃れられないので、諦めと思い切りが大事です。潰れた柔らかいトマトを投げ合うらしいと聞いていたんですが、固〜いトマトも飛び交いまくっていて、当たるとめちゃくちゃ痛いです。

左のおじさんの不機嫌そうな顔がトマティーナのカオスを物語っています。上手く楽しめないとただ苦痛で汚い地獄の1時間になります。

ホントにぐちゃぐちゃになります。笑

開始から1時間経過すると、号砲が鳴って終了します。

8:終わったらトマトを洗い流す

全身トマトまみれになっているので、トマトを洗い流します。汚い格好だと電車やバスに乗れない事があるので、最低限洗い流さないと帰れません。

民家の人が親切にホースで水をかけてくれるのですが、お湯ではなく水で、結構冷たいですししっかり洗い流すことは難しいです。

また、各所にゴミ箱が設置されているので、トマトまみれになった服を捨ててもOKです。

駅に行くとこのようなシャワーが無料で浴びれるので、トマティーナ終了後は駅まで向かうのもアリです。ここだと無料でしっかり浴びれます。

9:それぞれの目的地へ移動

後は、それぞれの目的地へ移動して終わりです。身体が冷えてると思うので、風邪を引かないように対策を!

まとめ

何かと準備が必要になりますので、特にチケットの購入はお早めに!