タイのバンコクからマレー半島を南へ下り、シンガポールまで、鉄道だけで縦断できます。タイ国鉄の夜行の寝台列車でマレーシアとの国境の駅パダンブサールへ行き、マレー鉄道(KTMB)の電車ETSで半島を南のJBセントラル(ジョホールバル)まで走り、最後に国境を越える5分の列車Shuttle Tebrau(シャトル・テブラウ)でシンガポールのウッドランズに着きます。
結論から言うと、今はパダンブサール→JBセントラルを乗り換えなしで結ぶETSが1日2本あり、グマス(Gemas)での乗り換えはいりません。バンコクから3本の列車を乗り継いで、早ければ出発の翌日の夜にジョホールバルまで行けます。ジョホールバルとシンガポールを結ぶ新しい鉄道RTS Linkはまだ開業していません。
時刻・運賃・本数は、2026年10月27日にKTMB・タイ国鉄の公式の時刻表と公式の予約画面(2026年11月12日の便)で確かめた内容です。運賃は日や空き状況で変わるので、予約の前に公式の画面で確かめてください。後半には、僕ら夫婦が2018年に実際に縦断した時のルートと様子も残しています。
マレー鉄道で半島を縦断するルートの比較(区間ごと)
| 区間 | 列車 | 所要時間 | 運賃の下限(公式の表示) | 本数 |
|---|---|---|---|---|
| バンコク→パダンブサール(タイ→マレーシア国境) | タイ国鉄 特急45列車(夜行・寝台) | 15時間55分(16:10発→翌8:05着) | 2等寝台 上段 848バーツ・下段 918バーツ | 1日1本 |
| パダンブサール→JBセントラル(直通) | KTMB ETS(Platinum・Gold) | 9時間40分〜10時間25分 | MYR 193〜 | 1日2本 |
| パダンブサール→KLセントラル | KTMB ETS | 最短 4時間50分 | MYR 114〜 | 1日6本 |
| KLセントラル→JBセントラル | KTMB ETS | 最短 4時間10分 | MYR 82〜 | 1日7本 |
| JBセントラル→ウッドランズ(シンガポール) | KTMB Shuttle Tebrau | 5分 | マレーシア国民向けとそれ以外で運賃が違う(予約画面で表示) | 1日18本 |
バンコクからシンガポールまで鉄道だけで行くなら、上の表の1行目→2行目→5行目と乗り継ぎます。途中のクアラルンプールで降りて観光するなら、2行目の代わりに3行目と4行目に分けて乗ります。切符はタイ国鉄・ETS・Shuttle Tebrauでそれぞれ別に買うので、運賃はそれぞれを足した額です。
乗りたい日の電車・バス・飛行機の運賃をまとめて比べるなら、予約サイトの Omio(日本語のサイト)で検索できます。Omio でクアラルンプール→シンガポールを検索する
マレー鉄道の路線図(どこからどこまで走っている?)
マレー鉄道(KTMB)の公式サイトには、路線図「KTMB Train Network」があります。半島の西側をタイ国境のパダンブサールから南のJBセントラルまで縦に走る西海岸線と、内陸のグマスから北東のトゥンパ(Tumpat)へ向かう東海岸線の2本が軸です。JBセントラルからは、国境の橋を渡ってシンガポールのウッドランズまでShuttle Tebrauが走っています。
公式サイトの路線図の画像は、ETSの行き先がグマスまでの古い版のままです。今の時刻表(2026年6月1日から)では、ETSはJBセントラルまで走っています。
公式ページ:Maps & Route(KTMB)/Train Timetable(KTMB)
バンコク→パダンブサール:タイ国鉄の夜行寝台(1日1本)
バンコクからパダンブサールまでは、タイ国鉄(SRT)の特急45列車で行きます。タイ国鉄の公式の予約サイトで調べると、バンコクの出発駅はクルンテープ・アピワット中央駅(Krung Thep Aphiwat)で、この区間の列車は1日1本でした。
元の記事では「この区間はオンライン予約ができない」と書いていましたが、今はタイ国鉄の公式の予約サイト(D-Ticket)で検索・予約できます。マレー鉄道(KTMB)の公式サイトにも、タイ国鉄の予約サイトへの案内が載っています。
2018年に僕らが乗った時は、フアランポーン駅から出る夜行列車で、2等寝台が870バーツから、17〜18時間ほどかかりました。広い座席が夜にはベッドになり、大きな窓から景色を眺めながら走る列車は、長い移動でも快適でした。
パダンブサールに着いたら、タイの出国とマレーシアの入国の手続きをします。2018年に通った時は、パスポートがあればビザなどの書類はいりませんでした。今は、日本のパスポートで観光などの目的なら3か月以内の滞在はマレーシアの査証(ビザ)がいらず、入国の時は残りの有効期間が6か月以上あるパスポートを出します。マレーシアに着く前に、デジタル入国カード(MDAC)をオンラインで登録しておきます(外務省の案内では出発の3日前から)。出どころはマレーシア 安全対策基礎データ(外務省 海外安全ホームページ)とMDAC(マレーシア入国管理局)で、2026年10月28日に確認しました。
詳しく:バンコクからパダンブサールまで夜行列車での行き方!予約方法・料金・車内をレビュー
公式ページ:D-Ticket(タイ国鉄)
パダンブサール→KL→JBセントラル:マレー鉄道のETSで縦断
マレーシア側は、KTMBの電車ETSで半島を南へ下ります。2026年6月1日からの時刻表では、パダンブサールからJBセントラルまで乗り換えなしで行けるETSが1日2本あります。
| 列車 | パダンブサール 発 | KLセントラル | JBセントラル 着 | 合計 | 運賃の下限 |
|---|---|---|---|---|---|
| ETS Platinum 9425 | 8:15 | 13:40着/13:45発 | 17:55 | 9時間40分 | MYR 273 |
| ETS Gold 9449 | 12:05 | 17:44着/17:50発 | 22:30 | 10時間25分 | MYR 193 |
タイからの45列車がパダンブサールに着くのは8:05(タイ国鉄の表示)で、出入国の手続きもあるので、8:15発の直通には乗り継げません。同じ日に乗るなら、9:45発のETSでKLセントラル(15:10着)へ行くか、12:05発のGold 9449でJBセントラル(22:30着)まで乗り通すことになります。

2018年に僕らはバタワース→クアラルンプールの電車を寝坊で逃し、当日に次の便を買おうとしたら満席でした。ETSは席を指定する列車なので、乗る日が決まったら早めに予約しておくと安心です。
公式ページ:KITS(KTMBの予約サイト)/ETS(KTMB)
ETSの切符は、マレーシア・シンガポールのバスと列車の予約サイト BusOnlineTicket でも買えます。BusOnlineTicket はKTMの代理店ではなく、KTMの切符の確保を代行するサービスだとサイトに書いています。2026年10月27日に見ると、10月28日のパダンブサール→JBセントラル(Platinum 9425)はRM 273.00で、KITSで見た11月12日の同じ列車の運賃と同じ額でした。ETSの運賃は日によって変わるとBusOnlineTicketも書いているので、買う前にKITSの額と比べてください。乗る時は、メールで届くKTMBのボーディングパスが要ります(BusOnlineTicketのよくある質問)。
BusOnlineTicketで予約する:パダンブサール→JBセントラル/パダンブサール→クアラルンプール/クアラルンプール→JBセントラル
ペナン島に寄る場合(バタワースで降りる)
ペナン島へは、本土側のバタワース駅で降りてフェリーで渡ります。パダンブサール→バタワースは、ETSのほかに近郊電車KTM Komuter(北部)も走っています。


ペナン島は、世界遺産の街ジョージタウンを中心に、食べ歩きと街歩きが楽しい島です。美食の街として知られ、街中にかわいい壁画も描かれています。2018年の僕らは予定に入れていなかったのに、ふらっと立ち寄ってよかったと思っています。1日だけでも時間を作って訪れてみてください。

バタワース〜クアラルンプールのETSも、BusOnlineTicketで予約できます:バタワース→クアラルンプール/クアラルンプール→バタワース
詳しく:バタワース駅からペナン島までフェリーでの行き方!料金・所要時間まとめ/バタワースからクアラルンプールまでの行き方!電車とバスを徹底比較
公式ページ:Ferry Services(Penang Port)
JBセントラル→シンガポール:国境を越えるShuttle Tebrau(5分)
マレー鉄道の終点JBセントラルからシンガポールへは、国境の橋を渡るShuttle Tebrauで5分です。JBセントラル駅でマレーシアの出国、着いたウッドランズでシンガポールの入国の手続きをします。
2026年10月27日にKTMBの予約サイトで2026年11月12日のJBセントラル→ウッドランズを調べると、5:30発〜8:45発の便は空席0でした。朝の便は早くから埋まるので、乗る便は先に予約しておきましょう。
シンガポールに入る外国人は、着く日を含めて3日前から「SG Arrival Card」をオンラインで出す決まりです(無料・シンガポール入国管理局ICAの公式サイトかアプリMyICA)。
新しい鉄道「RTS Link」はまだ使えない
ジョホールバル(ブキッ・チャガー駅)とシンガポール(ウッドランズ・ノース駅)を結ぶ新しい鉄道RTS Linkは、まだ開業していません。シンガポールの陸上交通庁(LTA)とマレーシア運輸省の2026年10月2日の発表では、営業開始は2027年2月を目指していて、安全の認証と両国の最終の許可を得ることが前提です。
公式ページ:Shuttle Tebrau(KTMB)/SG Arrival Card(ICA)/RTS Link の発表(LTA・2026年10月2日)
バスを組み合わせる場合(クアラルンプール→シンガポール)
全部を電車にこだわらないなら、クアラルンプールからシンガポールまで国境を越える長距離バスで一気に行く方法もあります。2018年の僕らは、ジョホールバルに寄らずバスで抜けました。

2018年に乗った時は、3列シートのバスで22シンガポールドル、約5時間でした。今の運賃と時刻はバス会社や予約サイトで日ごとに違うので、乗る日で調べてください。
2018年の僕らは、このバスをBusOnlineTicketで予約しました。今もクアラルンプール→シンガポールのバスを、日付を選んでバス会社ごとに比べて予約できます:BusOnlineTicketでクアラルンプール→シンガポールのバスを探す
詳しく:クアラルンプールからシンガポールまでバスでの行き方!値段・チケット購入方法・様子を細かく徹底解説
マレー半島縦断のモデルルート
急ぐ場合:鉄道だけで2泊3日(車中泊1回)
| 日 | 移動 | 時刻(2026年11月の例) |
|---|---|---|
| 1日目 | バンコク→パダンブサール(タイ国鉄45列車・寝台) | 16:10発→翌8:05着 |
| 2日目 | パダンブサール→JBセントラル(ETS Gold 9449・直通) | 12:05発→22:30着 |
| 2日目 | JBセントラルで1泊 | — |
| 3日目 | JBセントラル→ウッドランズ(Shuttle Tebrau) | 5分(予約した便) |
JBセントラルに22:30に着いた後、その日のうちに乗れるShuttle Tebrauは最終の22:45発だけで、出国の手続きを考えると間に合いません。JBで1泊してから、予約しておいたShuttle Tebrauでシンガポールに入るのが現実的です。
観光しながら:2018年に僕らが縦断したルート
- 1日目:バンコク→パダンブサール(夜行の寝台列車)
- 2日目:パダンブサール→バタワース(KTMの電車)→フェリーでペナン島へ
- 2〜4日目:ペナン島(ジョージタウン)を観光
- 5日目:バタワース→クアラルンプール(寝坊して電車を逃し、バスで約6時間・34リンギット〜)
- クアラルンプールを観光
- クアラルンプール→シンガポール(国境を越えるバス)
今なら、5日目のバタワース→クアラルンプールはETSで最短3時間35分、クアラルンプール→シンガポールはETSでJBセントラルまで最短4時間10分+Shuttle Tebrauでも行けます。
クアラルンプールの観光:クアラルンプールの地図をわかりやすく!観光マップでエリア別のおすすめスポットとモデルコースを紹介
クアラルンプールの宿泊:日本人スタッフ常駐のルメリディアン・クアラルンプール宿泊レビュー!SPG特典などを紹介
シンガポールからバンコクへ北上する場合
逆向きは、ウッドランズ→JBセントラル(Shuttle Tebrau)→パダンブサール(ETS)→バンコク(タイ国鉄46列車)の順です。
- Shuttle Tebrau:ウッドランズ→JBセントラルは1日13本(8:30〜23:45発)・5分
- ETS:JBセントラル→パダンブサールの直通は、Gold 9442(7:35発→17:53着)とPlatinum 9428(11:25発→21:01着)の1日2本(2026年6月1日からの時刻表)
- タイ国鉄:パダンブサール17:00発→クルンテープ・アピワット中央駅 翌9:05着(46列車・タイ国鉄の予約サイトの表示)
JBセントラルを朝7:35に出ても、パダンブサール着は17:53で、17:00発の46列車には間に合いません。北上する時は、パダンブサールの手前(クアラルンプールやペナンなど)で1泊するか、国境の近くで泊まってから46列車に乗る組み立てになります。
よくある質問
マレー鉄道の路線図はどこで見られる?
KTMBの公式サイトの「Maps & Route」に路線図があります。西海岸線(パダンブサール〜KLセントラル〜JBセントラル)と東海岸線(グマス〜トゥンパ)、JBセントラル〜ウッドランズのShuttle Tebrauが載っています。ETSがJBセントラルまで走るのは、2026年6月1日からの時刻表で確かめてください。
マレー鉄道の予約はどこでする?
マレーシア側(ETS・Intercity)はKTMBの公式の予約サイトKITSかアプリ、Shuttle TebrauはKTMBのShuttle Tebrauの予約サイトです。タイ側(バンコク〜パダンブサール)は、タイ国鉄の公式の予約サイトD-Ticketで予約できます。ETSは、切符の確保を代行する予約サイトBusOnlineTicketでも買えます(2026年10月27日確認)。運賃は日によって変わるので、KITSの額と比べてから買うと安心です。
マレー鉄道に寝台列車はある?
バンコク〜パダンブサールのタイ国鉄45・46列車は寝台列車です。マレーシアの西海岸を走るETSは昼から夜の電車で、寝台はありません。KTMBの案内では、寝台の車両は長距離のIntercityの設備として載っていて、夜行で走るのは東海岸線のEkspres Rakyat Timuran(JBセントラル19:30発→トゥンパ翌11:25着)です。寝台が付いているかは、予約画面で確かめてください。
タイからシンガポールまで鉄道だけで行ける?
行けます。タイ国鉄45列車でパダンブサール、ETSでJBセントラル、Shuttle Tebrauでウッドランズへと3つの列車を乗り継ぎます。JBセントラルに夜に着く場合は、その日のShuttle Tebrauに乗り継げないので1泊します。
鉄道だけで縦断すると運賃はいくら?
公式の表示の下限で、タイ国鉄の2等寝台の上段が848バーツ、ETSのパダンブサール→JBセントラルがMYR 193(Gold)です。これにShuttle Tebrauの運賃と、途中で泊まる宿代が加わります。
タイとマレーシアに時差はある?
あります。マレーシアはタイより1時間進んでいます。マレーシアとシンガポールは同じ時刻です。国境の駅では、時刻表がどちらの国の時刻かに気をつけてください。
移動中、スマホのネットはどうする?
まず、今のスマホの契約が海外で使えるかを確かめてください。足りないときは、次の3つから選べます。
- トリファ
:海外用のeSIMをアプリで買えます。200以上の国と地域に対応し、日本語のチャットで24時間相談できます。
- ahamo
:日本の携帯の料金プランです(毎月の料金がかかります)。eSIMなら新しい番号でも申し込めて、当日〜3日前後で使い始められます。海外では申し込みも追加料金もなしで、タイ・マレーシア・シンガポールを含む91の国と地域でデータ通信が使えます(海外で使い始めた日から15日を過ぎると、速度が最大128kbpsに落ちます)。今のスマホに2つ目の回線として入れる使い方は、ahamoの動作保証の対象外です。 - Airalo(エラロ):海外用のeSIMです。日本語のサイトで買えて、タイ・マレーシア・シンガポールを含むアジアの18の国と地域で使えるプランがあります。サポートは24時間・多言語です。
(トリファ・ahamo・Airaloの公式サイトで2026年10月27日に確認)
マレー鉄道で半島を縦断するルートのまとめ
- バンコク→パダンブサール:タイ国鉄の夜行寝台45列車(1日1本・16:10発→翌8:05着・848バーツ〜)
- パダンブサール→JBセントラル:ETSの直通(1日2本・9時間40分〜・MYR 193〜)。KLで降りるなら分けて乗る
- JBセントラル→シンガポール:Shuttle Tebrau(5分・朝の便は早めに予約)。RTS Linkは2027年2月の開業を目指している
3つの国を列車で越える縦断は、乗り継ぎと宿の組み立てがいちばんの肝です。ETSとShuttle Tebrauは予約が埋まりやすいので、乗る日が決まったら公式の予約サイトで先に押さえておきましょう。
良きマレー半島縦断の旅を!











